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2021/04/30

春のお供に

こんにちは、デイサービスアスモアです!
増毛の方では桜が開花しましたね。水仙やチューリップも咲き始めフキも食べごろの大きさになってきました。本社の近くにある桜もついに開花しました!
そんな春の気配の中久々にこの企画。担当者によるお勧め本のご紹介です!
今回はこの時期に合わせてチョイスしてみました。全て近代文学作品ですが、短編で読みやすくなっています。おうち時間のお供にぜひ!

『桜の森の満開の下』(坂口安吾著)
鈴鹿峠に咲く桜はあまりに美しく、そして人を狂わせる・・・。
一人の山賊と山賊に夫を殺された美しい女。山賊は女を妻に向かえ女が望む都で暮らし始める。夜な夜な女の望むままに首を刈る男と首を愛でる女・・・いつか男は山に帰りたいと願い、女は離れたくないと請う。満開の桜が咲く峠を二人は進む・・・。
『堕落論』でも知られる坂口安吾の短編小説。幻想的でどこか恐ろしい、でも余韻が残る作品です。個人的に“桜の樹の下には屍体が埋まつてゐる!”という有名な冒頭文から始まる梶井基次郎著『櫻の樹の下には』もおススメです。

『マスク』(菊池寛著)
スペイン風邪が流行し恰幅はいいが体が弱い男が医者から「流行性感冒にかかったら、助かりっこありません」と言われ人一倍健康に気を使うようになる。周りになんと言われようと家族に笑われようと男はずっとマスクを身に付け感染予防を徹底していた。そんな男がある時暖かくよく晴れた日に黒いマスクを付けた男を見かける・・・。菊池寛の実体験を元に描かれた短編小説。

『流行感冒』(志賀直哉著)
こちらも100年前に流行したスペイン風邪が題材となっている作品。千葉県我孫子市に住む一人の小説家。男は病で妻を亡くしたため娘の健康には人一倍神経質だった。ある日女中の石は主人に嘘をつき芝居を見に行ってしまう。男は腹を立てたが自身が雇った植木屋がスペイン風邪に感染、石以外全員が感染してしまい彼女は献身的に一家を支えていく・・・そんな石に振り回される男。志賀直哉が自身をモデルとした短編小説。先日ドラマ化もされました。
2作ともに100年前のスペイン風邪を題材にしたものですが、今のコロナ渦に通じる部分も多く考えさせられます。こんな時だからこそ一読してみてはどうでしょうか。

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